Photo by GettyImages
# 新型コロナウイルス

原油先物マイナスでも「世界は化石燃料で回っている」と言えるワケ

経済成長の牽引車はこれからも健在

お金を払って買ってもらう?

4月20日、WTI原油先物の5月限価格終値が史上初めて“マイナス”となった(▼37.63ドル)。この原油先物の買い手が反対売買で売りたい(決済したい)ときには、売値がゼロになるだけではなく、1バレルあたり37.63ドルを追加で支払わないと売れないということになる。

ところで小豆先物は、収穫が天候などに大きく左右される上に、市場も小さくユーザーも和菓子店などに限定されている。そのため、相場が乱高下するので「仕手戦」の舞台として有名だ。1962年の梶山季之の小説『赤いダイヤ』は、そのすさまじい仕手戦の有様をリアルに描いてヒットした。

Photo by GettyImages

かなり前のことになるが、小豆問屋の息子であるという知人から、仕手戦で負けて買い建玉が痛手を被ったので、反対決済をせずに「現引き(現渡し)」したことがあるという話を聞いた。その時には実家の問屋の倉庫から小豆があふれるほどであったそうだ。

一般的な投資家は、「差金決済」で現物にタッチせずに取引を行うので、自分が取引しているものが小豆や原油などの「現物」の「先物」であるということを忘れがちだ。株式投資家が紙切れ(電子信号)である株式ばかりに注目して、それが企業という「現物」の一部であるということを忘れがちなのと一緒である。

したがって、先物を買って建玉の整理ができなければ、必要のない現物を引き受けて「処理費用」を払わなければならない羽目になる。必要無いからと言って不法に海洋投棄でもしようものなら、環境破壊をしたとして多額の賠償金を請求される。

 

つまり「商品」というよりも「ゴミ」であり、「ごみ処理費用」がかかるまでになったということだが、これを機会に原油などの化石燃料が今後の世界の経済・社会にどのような影響を与えるのか考えてみたい。