コロナ禍に疲弊したら…外出自粛中に読みたい厳選30冊

「社会」「カルチャー」という観点から
碓井 広義 プロフィール

橋爪紳也『大阪万博の戦後史―EXPO'70から2025年万博へ
創元社 1760円

大阪を舞台とする「現代史読み物」であり、軸となるのは昭和45年の大阪万博だ。万博以前、万博そのもの、そして万博後と、編年体の通史になっている。中でも万博主要パビリオンの解説は圧巻。世紀のイベントが大阪という街にもたらしたものは何だったのか。

長谷部恭男『憲法講話~24の入門講義
有斐閣 2750円

法は「人として本来すべき実践的思考を簡易化する道具」だと著者は言う。頼り過ぎも危険であると。その上で使える道具としての憲法を講じていく。平和主義と自衛権。表現の自由と規制。内閣総理大臣の地位と権限。現代社会を再検証するための教科書だ。

宇梶静江『大地よ!―アイヌの母神、宇梶静江自伝
藤原書店 2970円

俳優・宇梶剛士の母でもある著者は、アイヌの自立と連帯を体現してきた女性だ。昭和8年北海道生まれ。23歳で中学校を卒業した。詩作と、アイヌの叙事詩を古布絵として表現する活動が現在も続く。本書では自身の軌跡はもちろん、リアルなアイヌ文化を語っている。

 

小川和久『フテンマ戦記~基地返還が迷走し続ける本当の理由
文藝春秋 1980円

軍事アナリストの著者は長年、普天間問題に関わってきた。本書はその回想録であると同時に、日本の民主主義に対する警鐘だ。無責任な首相や防衛官僚だけでなく、最高権力に近い奸臣の存在も指摘する。問題の経緯と原因を明らかにした貴重なドキュメントだ。

小田嶋 隆『ア・ピース・オブ・警句~5年間の「空気の研究」2015-2019
日経BP 1760円

アベノミクス、モリカケ問題、文書改ざん、東京五輪など、現在まで続く事象の大元、その本質は何なのか。5年分の時評コラムを読み進めながら、「そうだったのか」と何度も得心がいった。様々な局面で露呈する「事実」の軽視。それはコロナ禍の現在も変わらない。

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