海外から同様の意見が出ない理由

ところで海外からは、休校期間中の遅れを取り戻すためにいまの学年を半年延長しようなどという議論は聞こえてこない。なぜか。

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海外の特に先進国ではオンライン授業がスムーズに導入されている印象があるかもしれないが、すでに弊害も報告されている。言わずもがな、学校で学ぶほどの効果は得られていないのである。学習の遅れという意味での状況はおそらく日本とさほど変わらない。

フランスではオンラインでの教育がすぐに導入されたが、「オンラインでテキストを送って自宅でやるもの」であり、プリントアウト用の紙が買えなくなるという騒ぎも起きた。現場任せとなったため、双方向のやり方がほとんどない学校が多かったという Photo by Getty Images

それでも海外で学年を延長する議論を聞かないのは、そもそも海外の教育制度においては、日本のような横並びの意識が弱いからだと私は認識している。

海外の多くの国や地域では、学校が教員を採用し、教員にも大きな裁量が与えられている。教科書は学校または教員が好きなものを選ぶ。検定教科書という制度がある国は数少ない。ほとんどの国に、いつまでにどんなことを教えるべきかというガイドラインはあるが、弾力性が高く、日本の学習指導要領ほど拘束力の強いものでもない

子どもの通う学校によって、担当する教員によって、どんな時期にどんな教科書を使ってどんなことをどんなふうに学ぶかがバラバラであることが大前提なのだ。