現場にかかる甚大な負荷

もちろん小学校から大学まで、学校の中にも大混乱が生じる。何より罪深いのは、もしこのタイミングで急遽学事暦が変更になるとしたら、いま休校期間中においても子どもたちの学びを止めないためにオンライン授業実施などを含めてあの手この手の方法を試行錯誤していている現場の教員たちに、さらに甚大な負荷がかかるということだ。

オランダのある家庭。3月15日に突然休校要請が出て、3日目には教材とスケジュールが準備され、オンラインを用いた双方向の自宅学習が行われた Photo by Getty Image

5月2日、文科相は「学習時間の確保に加え、運動会や修学旅行など学校行事の実施に向けた解決策にもなる」という主旨を述べたが、非現実的である。パッと思いつくだけでも、教育現場は夏休み期間を含めたたった3カ月間で以下のような対応に追われることになる。

・1年間の臨時カリキュラムを策定

・運動会、学芸会などの年間行事予定のつくり直し

・修学旅行、遠足、社会科見学などの再手配

・学費、教材費、給食費など諸費用に関する方針策定

・PTAなど関連団体の運営・人事対応

・地域活動、ボランティアスタッフなどとの各種調整

・教職員の定年、育休、正規採用などの人事的なタイミングの調整

・上記に伴う、教育委員会や文科省との膨大な事務手続き
……etc.
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6月に方針が発表されたとして、8月末までに各学校の教員たちが、大学入試や高校入試のタイミングも睨みながら、新しい学年行事予定をいちからつくりなおし、1年間の臨時カリキュラムを策定し、修学旅行の交通手段やホテルを押さえ、遠足や社会科見学の手配をし、関係各所に連絡することなど、現実的ではない。新しい学校の開校準備にほとんど等しい、膨大な事務手続きが必要になる。