緊急事態宣言が5月末まで延長されることが発表され、外出自粛がさらに続く中、あらゆる飲食店が苦境に立たされている。そんな中、テイクアウトやデリバリーを開始して、この困難を乗り越えるべくがんばっている店が多数ある。

東京、幡ヶ谷・笹塚エリアでは、各飲食店の店主たちが協力し合い、テイクアウトマップを作成しているという。そのきっかけは、幡ヶ谷・笹塚の飲食店店主たちのコミュニケーションの賜物にあった

取材・文/エビス_セイキ

ある飲食店店主の個人アカウントから
広がった「テイクアウト」情報の輪

京王新線新宿駅から2駅、3駅。渋谷にもほど近いアクセスの良さで、街並みも穏やか。そんな環境の良さから人気を集めるのが「幡ヶ谷・笹塚」エリア。この界隈には飲食店が多数軒を連ねている

今、その飲食店は営業自粛を求められ、休業や営業時間の短縮、そしてテイクアウトのみの営業を強いられている。しかもステイホームな状況で消費者はどこがテイクアウトをしているのか、なかなか情報が掴めない

そんな中、ひっそりとスタートしたのが「ササハタ (笹塚幡ヶ谷) テイクアウト MAP」。2020年5月4日時点で笹塚18軒、幡ヶ谷36軒、合計54軒のテイクアウト可能な店がGoogle Map上を介して公開されている。近隣住民にとって、これほどありがたい情報はない。

このマップ作成のきっかけは、幡ヶ谷・笹塚の飲食店店主たちの普段からの密なコミュニケーションにあると言う。そう教えてくれたのは、地域の人たちにテイクアウト情報を届けたいと「sasahata_eats(笹幡イーツ)」なるインスタグラムのアカウント(https://www.instagram.com/sasahata_eats)を個人的に開設した幡ヶ谷のとある飲食店店主だ。

お店の外観に、店名とハッシュタグ、ときにテイクアウトの内容という至ってシンプルな投稿ながら、頻繁に拡散。今ではフォロワー数は1200人を超える。アカウント主は、ここまでの反響はあると思っていただろうか。

「こんなにフォロワーさんが増えるとは思っていませんでした。なので、個人のインスタにならないようちゃんと改善していきたいとも思っています」

ーー個人のアカウントとはいえ、自身も飲食店を経営する身。お店への集客の影響はあったのか。

「うちのお店もテイクアウトしていただく方が常連さんより新規の方が多いこと、最初から電話で予約をいれてくださったり、メニュー内容を把握してる方が多いことからSNSを見てくださっているのかなと感じます。あとは『笹幡イーツ』とタグ付けをしてテイクアウトした商品を投稿してくださる方もいらっしゃいますので、お役に立ててるのかなと感じます」

ーーその広がりは、SNSにとどまらず。開設から程なくして、冒頭で紹介した「ササハタ (笹塚幡ヶ谷) テイクアウト MAP」との連携がはじまる。もともとマップの管理人さんとの交流はあったのだろうか。

「交流はありました。店主同士で飲みに行かせていただいたりしていましたし、管理人さんは幡ヶ谷が地元の方なので、様々なイベントを開催したり、以前から幡ヶ谷のためにいろいろと動いていらっしゃる方です」

ーー店主同士で飲みに行くという話が出たが、アカウント主はもともとこの界隈の飲食店とは交流があったのだろうか。

「お店を始めた頃、幡ヶ谷・笹塚の忘年会に呼んでいただき、そこでたくさんの店主さんと交流しました。年に1回そういう機会があったり、少人数の店主同士で、幡ヶ谷・笹塚のお店をまわったり、店主同士もお店を行き来する関係性が深いと思います。何かお店でトラブルがあったりしたときも情報共有などをしていました」

もともと飲食店同士の結びつきが強い、幡ヶ谷・笹塚エリア。だからこそ、アカウント主は今回の行動をとったのだろう。その思いは着実にお店のみならず、近隣に住む人にも伝わっている。