日本のコロナ対策、結局「何に成功し、何に成功していないのか」

そもそもの「戦略」から考える
高橋 政代 プロフィール

私は感染症の専門家ではないが、京都大学病院眼科時代に病棟の感染対策をしていたことや、専門分野についての自分の知識を考えると、現在の世界でも有数の専門家会議のメンバーがどの程度の知識や考えで対応しているか想像がつくので、あまりにその専門性を軽んじた意見や誤解した言説を見るのが心苦しくtwitterで発信している。

私はコロナは鳥インフルエンザ(H5N1)を含むインフルエンザなどと比べて、最近の抗体検査による感染者の実数から見ると致死率も高くなく、「絶対にかかってはいけない疾患」というわけではないという、医学的ではなく社会的な観点からの発言をしている。

基礎疾患があったり高齢であったり注意喚起しないといけない層はすでに十分に恐怖を感じており、それよりも過剰な恐怖による社会的問題の方が大きくなっていると感じるからである。

賞賛してくださる人も多くいたが、批判の言葉も多数いただいた。このことからも理解や意見が極端に二分されていると感じた。これまでの自分の発言を中心に日本がどのような対応を取ってきたのか、その対応は世界とどう違うのか、これからの予測を記してみたい。

 

日本はよく持ちこたえている

まず、私は2月末の段階で、日本の新型コロナウイルスによる死亡者数は、2009年の新型インフルエンザの流行時と同じように、世界に比べても低い数で推移するのではないかと感じていた(【参考】2009年11月のWHOの発表によると、新型インフルエンザによる100万人当たりの死者数は日本との比較で 米国:16.5倍、オーストラリア:43倍、アルゼンチン:73倍となっている)。

初期の直感であるが、今もそう思う。日本の医療は1980年代には世界最高とWHOに認められたのである。最近は医療崩壊で現場は限界ギリギリで支えられており心配ではあるが、流行は先行したのに、欧米と比べ、ここまでよく持ちこたえている。4月27日現在死者数はアメリカ5万4000人超、イギリス2万人超、日本は348人と100倍もの差がある。このまま欧米のような医療崩壊を起こさず対処することができれば、予想通りの結果になるのではないかと思う。