金正恩「最新写真」が物語る、北朝鮮の異変と消えない健康不安

「死亡説」「危篤説」の真相は…?
牧野 愛博 プロフィール

顔や手首のむくみ

米国政府はトランプ大統領やポンペオ国務長官らが、具体的な発言こそ避けていたものの、金正恩氏の健康状態に注目していた。日本政府も「正恩氏が従来、高血圧や高い血糖値という健康状態であったことを考えれば、脳や心臓に異常があった可能性は否定できない」(関係者)と分析していた。

実際、朝鮮中央通信が2日に公開した写真や映像を見ると、4月12日に公開された写真と比べ、正恩氏の顔や手首が若干むくんで見える。韓国で長年、北朝鮮問題を担当した元高官は「これから写真の詳細な分析が行われるだろうが、心疾患が起きた可能性がある」と語る。元高官によれば、金正日(キム・ジョンイル)総書記も晩年、心疾患のため、血液が体の末端に十分行き渡らず、手や足がむくむ症状が現れていたという。

 

また、日本の医療関係者は「詳細な情報がないために断言はできないが、20日間、公の場に出てこなかったことや写真の様子を見る限り、軽い心筋梗塞を患った可能性がある」と指摘した。「その場合、北朝鮮はおそらく海外から取り寄せた医薬品による投薬治療を行っただろうが、その間は面会謝絶としていただろう」とも語った。投薬治療は比較的時間がかかるうえ、心肺機能に負担をかけないよう、体を動かさないようにするほか、外部からの刺激をできる限り避ける必要があるという。

実際、平壌と情報をやり取りする高位脱北者によれば、北朝鮮では4月半ばから一時期、最高指導者の決裁書である「1号提議書」に正恩氏の親筆が見られなくなるという現象が起きていた。

4月22日には日本周辺で米軍の戦略爆撃機B1Bと航空自衛隊による合同訓練も行われたが、北朝鮮は全く反応しなかった。韓国の安保専門家は2日、「少なくとも、正恩氏は4月11日の会議に出席した後、日米合同訓練の頃までは、通常の業務をこなせない状況に陥っていたと疑わざるを得ない」と語った。