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台湾と日本、コロナ対策の大きな差…「政治制度」が影響していた

令和の政治改革に向けて

日本と台湾、対照的な評価

安倍政権の新型コロナ感染症対策が「後手後手に回っている」「迷走」しているという批判が止まらない。4月7日になっての緊急事態宣言は、出すのが遅すぎたと多くの人が感じた。同じく4月初旬には、「世界的に見ても最大級の経済対策」と自画自賛していたはずの30万円の条件付き経済支援策を1週間程度で引っ込めた。

また、準備期間を十分に設けず唐突に出された全国一斉の休校要請、一部事業者への「休業補償なき休業要請」、「アベノマスク」として有名になった布マスクの配布、実施には至らなかったが「お肉券」「お魚券」の配布案など、批判の対象となった措置は枚挙にいとまがない。

安倍政権とは対照的に、市民から高く評価される新型コロナ感染症対策を実施しているのが台湾の蔡英文政権である。すでに日本でも多く報道されているように、台湾では1月下旬には中国大陸からの人々の来訪を遮断し、国策としてマスクの増産を進め、海外からの帰国者に対する厳密な2週間の隔離などを実施した。コロナ対策に関する市民の「満足度」は非常に高い

蔡英文総統〔PHOTO〕Gettyimages
 

パーソナリティだけではなく制度の違いも重要

日本と台湾でのこのような違いは、安倍首相と蔡総統の個人的なバックグラウンドやリーダーシップスタイルの違いから説明されることが多い。それに異を唱えるつもりはないが、両国政府の制度設計の違いも重要であることを本稿では指摘したい。

世界の多くの政府は、この危機的状況に対応するための特別な対策委員会(タスクフォース)を設置している。日本の場合では、安倍首相を議長に、そして閣僚をメンバーとする「新型コロナウイルス感染症対策本部」を内閣官房に設置した。これが2020年1月末である。議事録によれば、この会議は設置以来2、3日に一度開催されているが、その会合時間は平均して15分程度である。このような短い開催時間では、自由な討論や閣僚レベルでの調整がその場で行われているとは考えにくい。