米軍に新型コロナウイルスの感染が拡大した影響から、陸上自衛隊版「オスプレイ」初号機の千葉県・木更津駐屯地への配備時期が「未定」となっている。本来なら、今年6月に初号機と2号機の2機が配備される予定だった。
陸上自衛隊は、6月中に米軍からの「引き渡し式」を木更津駐屯地で行い、整備・点検後に初飛行に踏み切り、その後、慣熟訓練へと移行する計画だったが、配備遅れにより、日程のメドは立たなくなった。
木更津駐屯地では今年3月5日、オスプレイを運用する「輸送航空隊」(隊員約430人)が新編され、発足式があった。本来なら部隊発足までに機体は米国から届く予定だったが、米国内の新型コロナ感染拡大より前に配備の遅れが決定的となり、前例のない「航空機のない航空隊」として発足した。
加えて、米軍内に新型コロナの感染が広がったことを受けて、エスパー米国防長官が3月25日、米軍に海外での移動を60日間停止するよう命じたことにより、オスプレイの木更津配備に不可欠な米兵の移動にも影響が出ているもようだ。
「もようだ」というのは、米兵の移動は米軍の運用にかかわる案件のため、米軍から防衛省に伝えられていないことによる。米軍の運用について、米側は日本側に伝えず、日本側から米側に聞いても「答えない」という一方的な関係が常態化している。
この傾向は悪化しており、最近は、日程まで非公表とされるようになった。