テレワークできるのにやらない…日本での普及を阻む「3つの壁」

ポスト・コロナの働き方を考える
治部 れんげ プロフィール

また、「テレワークの壁1」で指摘した課題を相手が抱えている場合は、より困難になる。

「相手側の環境、リテラシーがないと、こちら側はいくら環境が整っていても無理。そもそも営業先(飲食店や百貨店など)が休業しているので営業どころではない」

ITリテラシーが低い世代(特に部課長クラス)は、リモート営業に懐疑的

こうした現場の声を裏付けるのが政府の統計だ。2018年版の情報通信白書によれば、日本企業におけるテレワークの普及率は14%程度であり、若い世代ほど利用希望者が多いが、中高年以上は敬遠していて世代間ギャップが見て取れる。

 

営業部女子課は、もともとリクルートの営業を経験した太田彩子さんが、女性の営業職を増やすことを目指して作った全国の女性営業職をつなぐネットワークだ。太田さんは、営業職が女性の経済的自立につながる職種という実体験に基づく信念がある。リモート営業の難しさだけでなく、克服方法や工夫についても情報収集している。今回の調査に加えて、営業部女子課で開催したZoom会議では、こんな意見も出たそうだ。

声のトーンや画像の遅れなどを考慮しゆっくり話す、ポイントをかいつまんで話す

「新規顧客との商談前には『自分の自己紹介(プライベート含め)』ページを表示して、相手との距離を縮めている」

「商談の冒頭は自ら自己開示し、積極的に話した。顔を画面にかなり近づけて(笑)、オーバーリアクションが大事

ここで共有されている工夫は、営業職以外の人がウェブ会議などをする時も参考になりそうだ。ゆっくり、ポイントをまとめて話すこと、相手との距離を縮めるための自己開示の工夫、そして分かりやすい反応を示すこと――今日の仕事から使ってみたい。