緊急事態宣言下の帰宅ラッシュ。4月27日撮影〔PHOTO〕Getty Images

テレワークできるのにやらない…日本での普及を阻む「3つの壁」

ポスト・コロナの働き方を考える

緊急事態宣言が当初の期限である5月6日から31日まで延長になった。政府は「人と人との接触を8割減らす」ことを目標にしてきたが、感染者の減少がまだ十分ではなく、医療崩壊の可能性が懸念されるためだ。

「8割減」に向け、テレトワークの導入や不要不急の外出自粛が要請されてきたが、日本におけるテレワークの利用率の低さが問題視されている。

いったい何が「テレワークの壁」になっているのか。原因を3つに分類し、それぞれの実状や問題点、個人にできることを考えてみたい。

 

テレワークの壁1:できるのにやらない

最初の壁は、テレワークが可能な職種なのに、やらないという問題だ。総務省の調べによると、テレワークの進み具合を3段階(低・中・高)で分けた場合、日本は低と中の間に位置する。IPSOS社の2011年調査をもとに、最も進んだ地域は中近東・アフリカやラテンアメリカ(共に普及率27%)だとしている。欧米は日本より進んでいる。

やらない/やれない理由のひとつは、端末や通信環境が未整備ということだ。中には資金に余裕がない、という声も聞く。また、環境以上に問題なのは意識だ。特に管理職で、部下が目の前にいないと仕事をしているか分からない、評価できないという人が少なくない。

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私は自営業で取引先は官公庁から民間企業まで多様である。公的機関より民間企業の方が、古くて大きな組織より、新しくて小さな組織の方が、そして日本の組織より欧米本社の組織にテレワークが根づいている。

緊急事態宣言に先立ち、2月中旬頃から外資系コンサルティング会社や、技術力の高い日本のベンチャー企業はテレワークに切り替えていた。通勤や密集したオフィスでの感染を心配せず、自宅で仕事に集中できてよかった、という話を直に聞いた。