# 新型コロナウイルス

金正恩「死亡」で、後継者「金与正」が直面するヤバすぎる大問題

権力闘争を封じることはできる…のか?
武藤 正敏 プロフィール

金正恩「後継者」が直面する大問題

金正恩氏が再起不能となれば、後継者は北朝鮮の民情不安にまず取り組まなければならない。新型コロナウイルスが拡散し、死者が増大してくれば、医療体制の脆弱な北朝鮮ではこれを抑え込む能力があるか疑わしい。

同時に、北朝鮮の経済は深刻である。昨年の北朝鮮の農業は、干ばつの影響で、近年まれにみる不作であったと言われている。今年は、中朝貿易の事実上の停止で、食料の輸入は大幅減少、農業生産に用いる肥料、殺虫剤の確保もままならない状況である。

昨年時点ですでに1000万人分の食料が不足すると言われていた。それが新型コロナウイルスの影響で一層深刻になるであろう。90年代に何十万人が餓死したと言われる。その再現となるのか。

こうした状況に北朝鮮が如何に対処するか。これまでの手法は、一層の恐怖政治によって国民の不満を反らすことである。しかし、それには正恩氏の絶対権力が不可欠である。

これまで多くの幹部を粛清してきた photo/gettyimages
 

1948年の金日成主席の北朝鮮建国以来、金氏一族の男性が実権を握ってきた。金氏一族への崇拝は、子供が読み書きを覚える前から叩き込まれる。正日氏、正恩氏は前任者から後継を指名され、「白頭の血統」としてその正当性を得てきた。

今「白頭の血統」の中で、正恩氏の後を継ぐとすれば、正恩氏の兄、正哲氏、叔父の平一氏、そして妹の与正氏ということになる。