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霞が関の伏魔殿…厚労省が新型コロナ対策で遅きに失した「本当の理由」

悪しき縦割り行政の典型

感染症対策本部会合の出席者

新聞各紙(朝刊)に毎日掲載される「首相動静」は、内閣官房の内閣広報官室が前日夜に共同、時事両通信社を通じて安倍晋三首相の当日の日程を報じるものだ。これはもちろん「官製報道」なので、首相側が秘匿したい面会(会談)については両通信社に対して明らかにしない。

それはともかく、この2カ月余の「首相動静」を丹念にチェックすれば分かるのは、安倍首相が主宰する政府の新型コロナウイルス感染症対策本部会合が月曜日から日曜日までほぼ毎日開かれていることと、その会合出席者に「鈴木康裕厚労省医務技監」の名前があることだ。

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厚生労働省(鈴木俊彦厚労事務次官・1983年旧厚生省入省)の次官級ポストが医務技監である。数多ある霞が関官僚群の中でも一般には馴染みがない職制だが、国土交通省には事務次官に並ぶ建設技官出身の次官級の国交省技官が置かれている。

鈴木医務技監は84年に慶應義塾大学医学部卒業後、旧厚生省に入省した医系キャリア官僚のトップである。当然ながら、コロナウイルス対策に関する安倍首相へのブリーフィングは同氏が一手に引き受けている。

 

筆者が本稿で厚労省の医系官僚を取り上げる理由を説明する前に以下のリストを紹介したい。次官級の医務技監が新設・発令されたのは2017年7月11日。厚労省改革に挑んだ当時の塩崎恭久厚労相は同4日の記者会見で、鈴木康裕保険局長を新設の医務技監起用と、女性医系技官として初めて山本尚子官房審議官(国際保健担当。85年旧厚生省・札幌医大医学部卒業)の局長級官房総括審議官抜擢などの人事を発表した(山本氏は現在、世界保健機関=WHO事務局長補)。

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