コロナで国のご都合主義が露呈…効率化する医療の“大変な末路”

「丁寧な看護なんてできなくなった…」
小林 美希 プロフィール

国のご都合主義が露呈

膨れ上がる医療費を削減したい国は2019年9月、全国の国立、県立、市立などの公立病院、そして日赤など公的病院について、△「がん」「心筋梗塞等の心血管疾患」「脳卒中」「救急医療」「小児医療」「周産期医療」「災害医療」「へき地医療」「研修・派遣機能」の各9項目の診療実績が特に少ないかどうか、△近くに同程度の実績の病院があるかどうか、というデータを示し、統廃合を含めた再編の検討を要請する424病院の病院名を公表した。

このリストのなかに、コロナ患者を最前線で引き受ける病院が名を連ねているというのだから、医療従事者が憤っても不思議ではない。コロナによって国のご都合主義が露呈した。

連合総研の平川則男主幹研究員は、前職の日本労働組合総連合会(連合)の代表として社会保障関係の政府審議会委員を経験。同氏は、公立・公的病院の統廃合が進められようとした背景について、こう説明する。

 

「超少子高齢化が進む中で、貴重な医療資源をどう配分していくのか、ということが大きな課題となった。そして厚生労働省が都道府県に対して、医療の需要と供給体制について「地域医療構想」の策定を求め、病院の再編を迫った。

特に人口10万人当たりベッド数が県によって4倍以上差があることと、医師数も比例して大きな格差があることから、少しでも是正していくことが必要と思われた」

国の大きな方針は病床の削減。公立病院や公的病院は、産科や小児科、へき地医療などのセーフティネットの役割を担い、あえて“不採算”といわれる医療を提供してきた側面がある。それを無視するように“病院潰し”のターゲットにされたのだ。