〔PHOTO〕iStock

コロナで国のご都合主義が露呈…効率化する医療の“大変な末路”

「丁寧な看護なんてできなくなった…」

国から“いらない”病院扱いされ…

「コロナで大変だからといって、都合の良い時だけ頼るのか」

近畿地方の公的病院で働く看護師の藤田牧子さん(仮名、51歳)は、腹立たしい思いがしている。それというのも、昨年秋に国から“いらない”と言われたのも同然の病院に対して、新型コロナウイルスの患者の入院を“お願い”されているからだ。

前回書いたように、4月下旬に入ると藤田さんの病院は感染症の専門病院ではないが自治体からの要請を受けて急きょ、“コロナベッド”を4床作った。

本来は、都道府県によって指定される「感染症指定医療機関」にある感染症病床でコロナ患者は治療を受けるのだが、感染症病床は2019年4月1日時点で全国に約1900床しかない。一方、入院治療を要する患者は1万1000人を超える(5月3日時点、厚生労働省発表)。

3月の段階で国は、感染症指定医療機関が満床になった場合は、一般病院の一般病棟でもコロナに対応することと都道府県に要請していた。感染者が増えるなか、都道府県は次々に感染症の専門でない病院にも応援を頼んでいる状況だ。

〔PHOTO〕iStock
 

藤田さんの病院には現在、コロナ患者が入院している。マスクも足りず、医療用ガウンは底をつき、救急外来の看護師は雨がっぱを消毒して使い回す。感染症の患者のオムツ交換をするときは、以前は都度、医療用ガウンを着替えていたが、今はそのまま他の患者の対応をしているという。

「これではいつ院内感染が起こってもおかしくない状況だ」と、藤田さんら看護師が背筋の凍る思いで働いているなか、近隣の系列病院にも6月からの患者受け入れの要請がきたのだ。ところがその系列病院は、冒頭で記したように国から“いらない”病院扱いを受けている。