深刻すぎるコロナ危機で、ヨーロッパが自信喪失している

「アジアに学べ」という声も…
笠原 敏彦 プロフィール

コロナと戦争

二つ目は、政府サイドの話である。

欧米の指導者からは危機対応を「戦争」に例える発言が目立った。

マクロン仏大統領:「我々は(ウィルスとの)戦争状態にある」(3月16日)

ジョンソン英首相:「我々は戦時政府のように行動しなければならない」(3月17日)

トランプ米大統領:「自分は戦時の大統領だと思っている。我々はウィルスという見えない敵との戦争に入った」(3月18日)

〔PHOTO〕gettyimages
 

こうした発言はただ精神論を述べているわけではない。

トランプ大統領が3月下旬、1950年の朝鮮戦争時に制定した「国防生産法」を発動し、自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)に人工呼吸器の生産を命じたことからも分かる通り、戦時の法体系・国家権限を動員するという意味なのである。

トランプ大統領はこれに先立ち3月13日に国家非常事態を宣言した際、「連邦政府の全権を解き放つため」だと説明している。

欧米諸国には戦時の国家権限・法体系を非常事態に発動する備えがあるということである。