深刻すぎるコロナ危機で、ヨーロッパが自信喪失している

「アジアに学べ」という声も…
笠原 敏彦 プロフィール

欧米と日本の違い

次に、日本の新型コロナ対策の視点から指摘したい。

多くの日本人は次のような違和感を覚えていないだろうか。

日本でも改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき緊急事態宣言が出されたが、蓋を開けてみれば、外出自粛や休業要請など強制力のない措置ばかり。

一方で、人権尊重のお手本だと思ってきた欧米各国で躊躇なく都市封鎖や外出制限などの強権的手段が導入されたのはどうして?

〔PHOTO〕gettyimages

欧米の事情には二つの側面があると思う。

まずは、市民サイドの話である。すでに触れたが、パンデミックなどの非常事態下では公益のためには私権制限を受け入れるという公衆衛生への理解が社会的土壌としてあるということだ。

日本では感染流行が深刻化するまで、テレワークは進まず、通勤電車は相変わらず満員、繁華街の人出も減らないという危機感のなさが海外から批判されたことを思い出す。

 

この点に関しては、ニューズウィーク日本語版(4月28日号)の石野シャハラン氏のコラム「コロナで見えた『意識低い系』日本人」は、「私はコロナ禍を通じて、日本人は総じて自分が社会の一員であるという自覚に疎いと感じていました。考えてみれば国政選挙も地方選挙も投票率が低い」という言葉が刺さった。