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深刻すぎるコロナ危機で、ヨーロッパが自信喪失している

「アジアに学べ」という声も…

欧州の惨状

新型コロナウィルスのパンデミック(世界的大流行)をめぐり、欧州では最悪期は脱したとの現状評価に基づき、都市封鎖や行動制限が徐々に緩和され始めた。

欧州最多の死者を数えるイタリアでは5月4日から製造業、建設業の事業再開や各州内に限定した人の移動が認められる。外出に必要書類の携帯を義務付けたフランスでも5月11日から段階的に制限解除を進める予定だ。

一方、スペインではすでに4月13日に首都マドリッドで職場復帰が始まり、致死率の低さから感染症対策が評価されるドイツでは4月20日に一部地域で小規模店舗の営業が再開されている。

しかし、どの国も手探りでの制限緩和であり、仮に制限が完全に解除されても、「ソーシャル・ディスタンシング(人と人の距離を取ること)」は当面、新たな常態となりそうである。

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それにしても首をかしげざるを得ないのは、世界の他地域に比べた欧州の惨状の深刻さだ。

米ジョンズ・ホプキンス大の集計(5月1日現在)では、世界全体の死者数約23万人の約半数を欧州諸国が占める。最悪のアメリカは別格として、死者数が多い国の上位10カ国のうちなんと7カ国が欧州の国である。

 

欧州諸国はアメリカと違い、社民主義的イデオロギーをベースにした高福祉国家だ。公的医療保険制度、病院などの医療インフラが充実しているはずの欧州の惨状は一体何を意味するのだろうか。

欧州統合に伴う域内自由移動の原則や、グローバル化の下で国境を越えた人の移動が他地域に比べて活発だという事情はあるのだろう。しかし、それだけでは説明できない。