日本も「集団免疫の獲得」という茨の道へ進むしかないのか

決断のときが近づいているかもしれない
週刊現代 プロフィール

「いまの日本のこの状態で、集団免疫獲得を目指すというのは、もってのほかです。死亡者はいま以上に出ますし、医療崩壊も起きる。国民だって、そんな覚悟はできていないと思います。集団免疫にはデメリットばかりで、メリットはないと考えています」(医学博士の中原英臣氏)

安倍晋三首相も4月3日の参院本会議で、コロナ対策の方針として、「集団免疫の獲得を直接の目的とはしていない」と答弁した。

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確かに一国のトップにとって、ある程度の死者が出るのは仕方がないとは公には言えないだろう。

しかし、集団免疫をあり得ない話として避けているだけでは、事態は解決しない。

 

そもそも集団免疫は、2種類に分けられる。一つが、前述した「結果的集団免疫」。結果的に感染者が増えることで、多くの人が「自然免疫」を得るというものだ。

もう一つが、「ワクチンによる集団免疫」。その名の通り、ワクチンを接種して、いわば「人工免疫」をつける方法だ。

たとえば、日本人なら0歳の時に接種が義務付けられているBCGは結核予防のワクチンである。「ハンコ注射」という通称をご存じの方も多いだろう。新型コロナウイルスのワクチンが開発されるまでには時間がかかる。その代替ワクチンとして、このBCGが注目されている。

公益財団法人「食の安全・安心財団」理事長で、東京大学名誉教授の唐木英明氏が解説する。

「ニューヨーク工科大学の研究チームの論文によれば、BCGを接種している国は、していない国より新型コロナの感染者や死亡者が少ないという報告があります。BCG接種を行ってきた国というのは、日本、中国、イランなど。接種をしていない国はイタリア、オランダ、アメリカなどです」