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M・ガブリエル氏ら世界的知性が答えた「コロナと人類の未来について」

「経済か命か」の二択を乗り越えるために

新聞・テレビが伝えていること、ネットで拡散していること、医者や専門家が言っていること、政治家・経済人が呼び掛けていること……ごもっともだが、どこかすっきりしない。この問題の本質はもっと別のところにある。

ウイルスは精神を蝕んでいく

「新型コロナウイルス禍は、単なる感染症の問題ではありません。人間の生き方を根本から覆し、世界の秩序や文明を一変させるものです」

こう語るのは、ドイツ・ボン大学教授で『なぜ世界は存在しないのか』などの著作によって、世界で最も注目を集める哲学者、マルクス・ガブリエル氏だ。

マルクス・ガブリエル氏(Photo by gettyimages)

新型コロナウイルスの感染者数は世界で200万人を突破した。感染爆発が起きるヨーロッパでは当たり前のように「戦争」にたとえられ、日本でも4月7日に緊急事態宣言が発令された。

毎日の感染者数の増加に気をとられ、テレビのワイドショーやネットでは、今日、明日何が起きるかという議論に明け暮れている。ネット上では流言飛語も飛び交っている。そうした情報の海に溢れている限り、この新型コロナウイルスの本質は見えてこない。

 

混迷する世界の中で、今、耳を傾けるべきは世界の知識人たちの言葉だ。あなたが今持っている考えは果たして正しいのかが、試されている。

ガブリエル氏は語る。

「ウイルスは純粋に生物学的な現象です。しかし、それにとどまらず、新型コロナによって起きる様々な問題は我々を相互不信に陥らせ、社会の連帯を分断します。つまり、新型コロナは『精神の毒』でもあるのです」

新型コロナは人の心を蝕む。感染に怯え、他人を信じられなくなる。国内でも「病院職員はタクシーに乗せない」「看護師の子供は卒園式には来ないでと言われる」など、医療関係者への差別が日常化し始めている。