「官邸では、アビガンの効果への疑問を口にすることはタブーになっています。厚生労働省の鈴木康裕医務技監(医師免許を持つ技官のトップ)はアビガンの承認について慎重な発言を繰り返したため、すっかり官邸から嫌われています。
新型コロナ対策での初動の遅れなどの失策も重なり、鈴木技監は今年7月の人事で、厚労省の鈴木俊彦事務次官とともに”更迭”必至です」(官邸筋)
新型コロナウィルス感染症の治療薬の有力候補とされている「アビガン」について、安倍首相を先頭に、官邸が前のめりになっている。
安倍首相は4月7日、医療機関の倫理委員会の了承を条件に、患者が希望すればアビガン投与を可能にするとの考えを示した。さらに4月27日の衆院本会議では「2000人以上への投与が行われ、症状改善に効果があったとの報告も受けている。可能な限り早期の薬事承認を目指すべく努力をしている」と発言。アビガンが新型コロナに効くことが、すでに既定事実であるかのような発言を繰り返している。
とはいえ、日本では、アビガンの効果については現在、治験の真っ最中であり、6月にその結果が出るまでは、本当に新型コロナに効くかどうかは科学的に証明されたわけではない。