コロナで看護崩壊…院内感染リスクと長時間労働の「深刻すぎる現実」

戦々恐々としながら働かざるを得ない
小林 美希 プロフィール

長時間過密労働になる?

看護師を襲う心配はコロナの感染リスクだけではない。見えないウイルスとともに、2交代夜勤まで忍び寄っている。藤田さんの病院がコロナ病床を作る際、病院側が看護師に2交代勤務を提案され、コロナを機に長時間過密労働が強いられそうなのだ。

24時間365日患者を看る病棟の看護師は、シフトで勤務し、病院によって夜勤が約8時間の3交代か、約16時間の2交代かに分かれる。

3交代だと、おおむね「日勤」(午前8時~午後4時半)、「準夜勤」(午後4時~午前0時半)、「深夜勤」(午前0時~同8時半)のシフトが組まれる。一方の2交代の夜勤は、3交代の「準夜勤」と「深夜勤」をセットで行う形の午後4時頃から翌朝8時までの16時間夜勤が組まれることが多い。

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藤田さんの病院は、職場からの強い要望で1回当たりの夜勤時間が短い3交代が堅持されてきたが、病院側は「コロナの患者に接触する看護師を少なくする」ことを理由に2交代に変更すると言い始めたのだ。看護現場にとっては「コロナに乗じて人件費を削減したいだけ」としか受け取れなかった。

2交代では準夜勤の残業分を吸収でき、割増賃金を払わずに済むことや、0時前後の通勤にタクシー代などが不要になることなどから、経営側は経費削減のため2交代を導入する傾向があるからだ。

夜勤には、乳がんや前立腺がんにかかるリスクが高まることや、疲労で酩酊状態の作業効率に陥ることが知られている。

 

日本看護協会の「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」でも、「昼間の8時間勤務より夜間の8時間勤務のほうが事故(医療事故に限らず自身のけがも含む)を起こす可能性が高く、さらに同じ夜勤でも8時間勤務より12時間夜勤のほうが事故を起こす確率が高いという結果が出ている」として、「勤務の拘束時間は仮眠や休憩時間も含み13時間以内を基準」とするよう求めているが、看護師にとっても患者にとっても有害な2交代は増えている。