コロナで看護崩壊…院内感染リスクと長時間労働の「深刻すぎる現実」

戦々恐々としながら働かざるを得ない
小林 美希 プロフィール

いつ感染してもおかしくない

4月下旬に入ると藤田さんの病院は自治体からの要請を受けて急きょ、“コロナベッド”を4床作った。現在、2人のコロナ患者が入院しているという。

看護師長は、高性能な「N95マスク」の在庫20枚を全てコロナ病棟に回している状況。他の一般病棟では、3日に1枚だけサージカルマスクを院内で買うことができるが足りず、洗って使っている。

医療用ガウンが底をついたため、救急外来の看護師は雨がっぱを着て患者の対応に当たっている。その雨がっぱも、1日8時間使ったら表面を消毒して使い回している。藤田さんは「これではいつ看護師が感染し、院内感染が起こってもおかしくない状況だ」と戦々恐々としている。

全国で唯一の医療の産別労組である日本医労連には全国各地から、医療物資の不足や院内感染の不安の声が寄せられている。森田しのぶ中央執行委員長は、こう話す。

 

「2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)や2012年の中東呼吸器症候群(MERS)を教訓にすれば、危機管理としてマスクや防護服、検査キットなどの医療物資を海外ばかりに頼らず国内生産にシフトすべきだった。しかし、日本はそれをしなかったため医療物資が不足し、現場のストレスは大きい。

医療従事者が治療や看護に集中するためにも、せめてそれら医療物資は国が用意するべきだ。そして、コロナは無症状感染者もいる。院内感染を予防するためにもPCR検査は必要不可欠。一刻も早く検査体制を整えなければ現場はもたない」