金正恩が「本当に重篤」だった時に、韓国経済に起きること

金日成、金正日の時はどうだったか
高安 雄一 プロフィール

これまでと同じようにはいかない

CNNが報道したように金正恩委員長が重体に陥る、さらには死去するといったことが現時点で本当に起こったとしたら、どのような影響が想定されるだろうか。その場合、2011年末に金正日総書記が死去した時とは異なり、株価や為替レートといった金融面や実体経済が動揺する可能性が高いと言えそうだ。

 

現在は新型コロナウィルス感染拡大の影響で国際金融市場がリスク回避的になっている。ここで北朝鮮情勢が流動性しかねないリスクが発生すると、韓国から資本が流出し、急速な株安やウォン安が起こる可能性も否定できない。また韓国の実体経済は、すでに内外需が大きく萎縮しているが、投資心理が冷え込めば、景気の一段の悪化は避けられない。

韓国経済は新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、かってない試練の時を迎えている。政府はマクロ経済政策を総動員して経済を支えているが、北朝鮮リスクが追い打ちをかければ、韓国経済の先行き不透明感が一気に増すことになる。

幸いなことに韓国銀行はアメリカのFRBと通貨スワップ取極を締結している。この取極により、ウォン急落時には600億ドルを上限に受け取り、韓国銀行がウォンを買い支えることで、通貨危機の再来のリスクを避けることはできそうである。

しかし、韓国経済の回復はさらに困難となり、株安とウォン安が進み、景気の悪化が続くことが予想される。金正恩委員長の状態については憶測が飛び交っているが、どのようになるか目が離せない状況である。

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