金正恩が「本当に重篤」だった時に、韓国経済に起きること

金日成、金正日の時はどうだったか
高安 雄一 プロフィール

ただし韓国の制度、資本移動の自由度や為替制度が1997年末の通貨危機を境に大きく変わったので、金日成主席の死去時と現在は単純に比較できない。

国内株式市場は1992年に外国人投資家に開放されたが、当時は銘柄ごとに外国人全体で発行株式の10%、1人では3%といった所有上限が設定された。このような事情もあり、外国人による上場株式の保有割合は(金額ベース)、1992年末において4.9%に過ぎず、1997年末でも14.6%であった。

しかし通貨危機以降に外国人株式投資の規制がほぼ撤廃され、2003年末には外国人による上場株式の保有割合が43.9%に高まった。そして、2019年にはこれよりは低下したものの33.3%であり、通貨危機以前と比べて外国人の動きが株価に与える影響が格段に高まっている。

また通貨危機以前の韓国は「市場平均為替制度」という制度を採用しており、1日に変動する為替レートの幅が制限されていたが、通貨危機以降、変動為替相場制度に変わった。為替レートは、資本移動の自由化と変動為替相場制への変更とが相まって、株式投資を始めとした外国資金の流出入に翻弄される傾向が強まった。よって金日成主席死去の後も株価や為替レートが安定的に推移し、実体経済も影響を受けなかったからといって、それが現在に当てはまるとは言えない。

金日成〔PHOTO〕Gettyimages
 

韓国、通貨危機後のケース

では通貨危機後のケースはどうだったのであろうか。2代目の最高指導者であった金正日総書記の死去時の株価と為替レートの動きを見てみよう。

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