〔PHOTO〕Gettyimages

金正恩が「本当に重篤」だった時に、韓国経済に起きること

金日成、金正日の時はどうだったか

先週、CNNが北朝鮮の3代目の最高指導者である金正恩委員長(朝鮮労働党委員長)の重体を伝え、その後、韓国のメディアなどがこれを否定する報道を出すなど、北朝鮮の最高指導者を巡る様々な憶測が飛び交った。

もし第一報のように、金正恩委員長が重体となる、あるいは死亡するといったことが起これば、韓国経済は影響を受ける。

〔PHOTO〕Gettyimages
 

短期的に考えられる影響としては、地政学的リスクの高まりによる韓国からの資本流出であり、株価の下落やウォン安がもたらされる。さらには、金融面での不安定化が実体経済にも波及するとともに、企業の投資心理萎縮などを通じて景気が悪化することも考えられる。

北朝鮮の最高指導者が死去した場合、どのような経済的な影響が起こるのか、過去のケースと比較しつつ、現在の状況を加味して考えてみよう。

金日成の時はどうだったか

これまで北朝鮮の最高指導者の死去は2回あった。最初は初代の最高指導者であった金日成主席のケースである。金日成主席は1994年7月8日に死去した。金日成主席の死去が公表された日である7月9日の韓国総合株価指数(KOSPI)の終値は956ポイントであり、前日の949ポイントと比較して上昇した。

そしてその後を見ると、9月頃から急上昇を始め、10月には1100ポイントを上回るほどになった。為替レートを見ても、公表日の7月9日は1ドル806ウォンであり、前日とほとんど変化がなかった。

そして、金日成主席の死去後1年ほどはウォン高で推移していった。さらには経済の実体面でも景気が悪化したといった動きは見られなかった。つまり、少し長いスパンでみると、金日成主席の死去は韓国の株価や為替レートに影響を与えず、実体経済にも影響を与えなかった。