大河ドラマにハリウッドの風が

久々の戦国時代を描いた今年のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』

資料がほとんど残っていないとされる光秀の青年期を描き、斎藤道三や織田信長に支えながら最後は「本能寺の変」で謀反を果たす明智光秀の前半生に光を当てている。
各地の英傑たちが天下を狙って命をかけて戦う「一大叙事詩」は、人気俳優を多く起用し、若い世代からも支持を集めている。

今回の大河ドラマは音楽面でも挑戦的である。

テーマ曲、劇中曲などの音楽を担当するのは、アメリカの作曲家ジョン・グラムさん。ワーナーブラザーズの専属オーケストレーターとして数多くのハリウッド映画音楽の編曲とオーケストレーションを手がけ、その後、作曲家として数々の映画、テレビドラマ、アニメーション、ゲームの音楽を担当してきた。

高度なオーケストレーションと独自の制作手法を用いて、近代的なハリウッドサウンドを紡ぎ出すベテラン作曲家としてハリウッド映画音楽業界でも一目置かれる存在である。

そしてジョンさんの希望で、劇中歌『美濃の里〜母なる大地〜』で作詞と歌唱を担当し、またドラマ終了後に放送されている『大河ドラマ紀行』で美しいヴォーカリーズを聴かせるのは、歌手の堀澤麻衣子さんである※1

歌手の堀澤麻衣子さん。国立音楽大学声楽学科を卒業後、イタリア留学でベルカント唱法を、アメリカでゴスペルを学んだ

彼女は、ホイットニー・ヒューストンらを手がけるハリウッドの巨匠スティーブ・ドーフに声を見染められ、メジャーデビューアルバムをハリウッドで制作。そのアルバム『Kindred Spirits〜かけがいのないもの』は、Amazonニューエイジ部門1位を獲得し高く評価されている。

抜擢された堀澤さんと、ドラマの音楽プロデューサーを務めているハリウッド在住の備耕庸(そなえ・こうよう)さんに『麒麟がくる』のテーマ曲や劇中歌が生まれる現場のエピソードを聞いた。

※1 『大河ドラマ紀行』の音楽は1~3月期を堀澤さんが担当。現在はジェイク・シマブクロさんがウクレレを披露している