『サザエさん』炎上はホント? コロナで加速「不謹慎狩り狩り」とは何か

SNSとメディアが怒りを増幅しあう
山口 真一 プロフィール

さらに、筆者が以前行った研究によれば、ネットで批判を書き込む人々の動機は、その60~70%が「許せない」「失望した」などの正義感からだった。また、感情、特に「怒り」が表明されている投稿は拡散されやすいという研究結果もあるvi。今回のケースのように「不寛容さ」に対して怒りや失望を感じる人が多ければ、そうした書き込みが多く投稿されるし、それらはまた拡散もされやすいのである。

実際、先述のYahoo! リアルタイム検索によると、「サザエ 不謹慎」を含むツイートの感情分析は、「ポジティブな感情」がわずか4%なのに対し、60%が「ネガティブな感情」となっている(残りは不明)vii。このような感情は瞬く間に人々に広まっていくのだ。

 

「『不謹慎狩り』狩り」が始まっている

「不謹慎」の歴史は意外に長い。ネット上で不謹慎という単語が多く使われだしたきっかけは、2011年の東日本大震災だ。

検索回数の推移を見ると、2011年3月に極端に増加した後は、平常時でも検索回数が多くなっていることが分かる。不謹慎というワードがネットに定着したといえる(図2)。

図2「不謹慎」検索回数指標(ピークを100とした指標)viii

その後爆発的に増えたのが、2016年4月の熊本地震の時だ。そして今、このコロナ禍が始まった2020年の2月頃から、不謹慎というワードの検索回数が急激に増加し続けていることが分かる。

しかし、これら「3つの山」の様子はそれぞれ異なっている。