『サザエさん』炎上はホント? コロナで加速「不謹慎狩り狩り」とは何か

SNSとメディアが怒りを増幅しあう

『サザエさん』自体は燃えていない?

「『サザエさん』が炎上した」ことが話題だ。発端は4月26日の放送で、磯野家がGWにレジャーに行く計画を立てたり、動物園を訪れたりしたという内容が流れたこと。これに対し、「コロナで自粛の中、GWに出掛ける話なんてサザエさん不謹慎過ぎ!」などの批判が付き、炎上した、とのことである。

しかし、この件を最初に「デイリースポーツ」が取り上げて以降i、むしろ上記のような批判に対する批判の投稿が相次いだ。4月28日時点でも、Twitter上では「フィクションまで自粛しろというのか」「こんなことを本気で言っているならヤバい」「世の中息苦しい」などの声が多く投稿されている。

さらに著名人にもこうした批判に対して苦言を呈する人が現れ、今では多くのネットメディア・まとめブログが記事として取り上げている。

 

なるほど、確かにアニメの登場人物がGW中に外出しようとしただけで「不謹慎」と指摘されるのは、非常に窮屈だと感じられる。2016年の熊本地震の時に話題になった、いわゆる「不謹慎狩り」のようだ。不謹慎狩りとは、災害など有事の際に、企業の通常の営業活動や、個人の何気ない発信が「不謹慎だ」と批判される現象である。

しかし、東京大学准教授の鳥海不二夫氏による調査iiは、この件について全く別の視点を示した。なんと、『サザエさん』が放送されてから最初にメディアで取り上げられるまでの数時間で、「不謹慎だ」と言って批判していた人は「たった11人」しかいなかったらしい。

事実、その後のツイートを筆者が確認しても、「不謹慎狩り」を批判する内容は大量に投稿されていたが、『サザエさん』自体を不謹慎な内容だと批判する投稿は、ほとんど皆無である。