カレー沢薫さんの漫画『ひとりでしにたい』はなかなかパンチの効いた一冊だ。主人公は35歳の山口鳴海。彼氏ナシ、独身。慕っていた独身の伯母が孤独死し、衝撃的な姿で見つかったことから、「婚活しよう」と考え始めることから物語は始まる。しかし冷静な(実はその冷静さには裏があるが)同僚男性・ナスダに「結婚=安定ってありえませんよ」「結婚したらひとりで死なないのか」という、と現実を突きつけられるのだ。

結婚しようがしてまいが、誰かに、何かに依存せず、愉快に生きて愉快に死ぬにはどうしたらいいのか。漫画を読んだうえで、フリーライターの長谷川あやさんに考察してもらった。

『ひとりでしにたい』のリンクが送られてきた

編集者からちょっとこれ読んでみてと、この漫画のリンクが送られてきた。『ひとりでしにたい』(カレー沢薫)。なかなかインパクトのあるタイトルだ。「いったいなぜ私に?」「これを読んでどうしろと?」など、疑問が渦巻くがとりあえずは読んでみるとしよう。ヒマだし。

わたしにどうしろと?

一気に読んだ。なるほど、エピドードごとに語りたいことがたくさんある。気の置けない友人たちと飲みながらあーだこーだ言いたくなる。

『ひとりでしにたい』は、「孤独死」や「終活」をテーマにしているが、ひとりで生き、死んでいくことを悲観も、否定もしてない。そんなところにも共感した。現在、アラフィフの私に結婚の経験はない。予定もない。そもそもパートナーもいない。そして、一切、それを卑下しても恥じてもいない。

この作品の主人公・山口鳴海は35歳。「孤独死」する可能性は、私のほうが彼女よりだいぶ高いのは明らかだ。そして別にそれでいいと思っている。ただ、鳴海の伯母の光子のように、発見が遅れて、「黒いシミ」や「汁」になるのは避けたい。孤独死し、風呂場で「汗」になった、この特殊清掃のお世話にはなりたくないと思っている。

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そうとわかっていながら、私はまだ終活をしていない。日本人女性の平均寿命は約87歳。すでに人生の折り返し点と言われる年は過ぎている。そろそろ終活を始めるべきなのではないかと、よりよく生き、死ぬために今できることを考えるべきではないかと、背中を押された気がした。

そして、この本には、この時代に女性が(いや、年齢やジェンダーを区切る必要はないかもしれない)、パートナーなしで愉快に生きていくヒントが散りばめられている。そんなわけで、『ひとりでしにたい』をひもときながら、「ひとりを愉快に生き、死ぬ」ということについて考えていきたいと思う。いま「自由」だと思っているものが、加齢とともに「孤独」と「不安」に変わっていかないように。