では、運動不足が慢性化した場合、どのような病気を引き起こす可能性があるのか?
厚生労働省「健康日本21」(身体活動・運動)によると、具体的に、次のような病気が挙げられている。
筆者が罹患したがんも、運動不足など生活習慣が原因の一つと考えられているが、わかりやすいのは運動不足によって、基礎代謝が低下し、便秘がちになる。今は太っていない人でも同じような生活をしていると肥満になりやすいこと。
また、血管内のコレステロールや中性脂肪が血管に貼りつき、血液がドロドロの状態が長く続くと、動脈硬化となり、心疾患、脳卒中など循環器疾患生の原因となる。
心肺機能も低下するため、血圧が上昇しやすく、高血圧にもなりやすい。運動不足の人ほど、食後に血糖値が上がりやすいので(食後に眠くなりやすい人!)、糖尿病の原因につながる等々、「運動不足 起こりやすい病気」で検索すると、さまざまなデータや記事が出てくるので、詳しくはそちらをご参照いただきたい。
なお、前掲の調査で、とくに20代女性の運動習慣者の割合が低いと述べたが、最近、若いやせ型の女性が糖尿病を発症するケースが増えているという。
この原因は、糖質の取りすぎなどではなく、運動不足による筋肉の代謝異常だと考えられている。糖尿病は、若い時には自覚症状はあまりないが、放置していると重症化し、網膜症や動脈硬化、神経障害などの重篤な合併症を引き起こす。