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コロナ禍と北朝鮮有事のウラで、米中「海洋覇権」戦争が激化中

中国は「台湾統一」を絶対に譲らない

朝鮮半島問題と台湾問題

昨今、人々の目は、動態が伝わらない北朝鮮の金正恩委員長の「異変」にばかり向けられているが、東シナ海と南シナ海における米中両大国の角逐も、にわかに緊張感を増してきている。

意外に思うかもしれないが、中国にとっては本来、朝鮮半島問題と台湾問題は、切り離すことのできないものだ。

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一例を示すと、私は20年ほど前に、年老いた北朝鮮からの亡命者をインタビューしたことがある。

彼は1950年10月、朝鮮戦争で朝鮮人民軍が敗北を重ね、北朝鮮があわや国連軍(アメリカ軍)に統一されそうになった時、中国の人民義勇軍が中朝国境の鴨緑江を渡り、朝鮮戦争に参戦する様子を目撃したという。その時、人民義勇軍が進軍しながら掲げていた旗には、「我們一定要解放台湾!」(われわれは必ず台湾を解放する)と大書されていたそうである。

中国にとっては、「朝鮮を解放する」ことが、「台湾を解放する」ことでもあったというわけだ。中国が不利と言われた朝鮮戦争に参戦を決めたのは、アメリカ軍が鴨緑江を渡ってきては困るということがあったのはもちろんだが、それに加えて、台湾を統一するためには朝鮮半島を抑えておかねばということもあったのである。

毛沢東主席も、ある時、天安門の楼台に両手を広げて言ったと伝えられる。

「私の左手の先には朝鮮があり、右手の先には越南(ベトナム)がある。この両国の盟友が安泰であれば、必ず台湾を統一できる」

というわけで、朝鮮半島の状況がきな臭くなった時には、東シナ海と南シナ海にも目を向ける必要があるのだ。

 

特に昨今は、周知のように新型コロナウイルスの影響で、世界中の防衛行動が手薄になりがちであり、各地で「火事場泥棒」のようなことが起きかねない状況にある。それは、東シナ海と南シナ海においても同様である。

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