なぜ「マジシャン」を採用したのか?人材スタートアップの意外な思惑

話題の「リファラル採用」を自ら実践

「リファラル採用」を知っているだろうか。これは、自社の社員の紹介によって新たな人材を獲得する採用手法のことだ。いわゆる「コネ採用」とは違い、各社員が持つ人脈をフルに活用して質の高い採用を実現するもので、米国では主要な採用手段となっている。

株式会社MyReferは、他社に先駆けてリファラル採用を活性化させるクラウドサービスを提供し、日本のリファラル採用促進を牽引してきたスタートアップ企業。さすが採用を知り尽くした会社だけあって、自社においても人材発掘に強いこだわりを持ち、異色の経歴を持つ人材も豊富だ。

同社のアカウントコンサルティング部の三橋知剛さんは、なんと元「マジシャン」。入社の経緯や、異能人材を採用する狙いについて、三橋さんと代表取締役社長CEOの鈴木貴史さんに聞いた。

取材・文/音部美穂 撮影/白井智

マジックだけで一生食べていけるか、不安だった

アカウントコンサルティング部で現在、フィールドセールス(外回りの営業)を担当する三橋さん。

彼の名刺には、肩書の下に小さく「マジシャン」と記されている。

2017年秋に入社する以前は、都内のマジックバーでクローズアップマジックを披露していたという三橋さんは、なぜまったく畑違いの職場に飛び込んだのだろうか。

三橋「常連客の中に、MyReferの社員がいたんです。プライベートでも親交を持つようになり、『このままマジックだけで食べていけるの? 良かったら、うちの会社で働かない?』と誘われたのがきっかけでした

それまで、一般企業のサラリーマンを経験したことがなかったという三橋さん。

高校卒業後、警察庁に入庁し、皇宮護衛官として勤務した後、退職してマジシャンに転身したという“変わり種”だ。

「マジシャンの仕事自体は楽しかったのですが、『一生続けていけるかな』と不安になったのも事実。とりあえず話を聞くだけという軽い気持ちでMyReferの面接を受けてみることにしたんです」

社長の鈴木さんとの面接場所に指定されたのは、なんと居酒屋。

 

そのシチュエーションもさることながら、鈴木さんから次々と繰り出される質問に三橋さんは面食らったという。

「面接なのに、『ナンパするならどんな手を使う?』とか『1週間以内にホリエモン(堀江貴文氏)のアポを取るとしたら、どんな方法を使う?』とか奇想天外な質問ばかりで。こんなの公務員の面接試験では絶対に聞かれませんよ(笑)」