PCR検査まで最短で4日…発熱して「解熱薬」を飲むのは正解か?

新型コロナと解熱薬の関係
生田 哲 プロフィール

発熱が致死率を下げる?

発熱について、2005年に報告された論文を紹介しよう※8。38.5度以上になったらアセトアミノフェンと冷えた毛布を与えられた患者は、40度以上になるまで治療を受けなかった患者にくらべ、感染症にかかった者が多かっただけでなく、死亡者も多かった。

論文の著者は、こういう。

「44人の患者を治療群に、38人の患者を対照群に振り分けた。治療群での感染の発生は131件、対照群では85件であった。治療群での死亡7件、対照群では死亡1件。途中で分析したところ、致死率の差があまりに大きいため、研究を中止した。結論は、重病患者を解熱させると、致死率が上がるかもしれない」

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もうひとつ引用しよう。出所は2002年の「発熱:解熱薬の功罪」というタイトルの論文である※9

「多くのデータから明らかなことは、発熱にはすべてのケースではないが、多くのケースで利点があることだ。たとえば、肺炎患者の調査において37.8度以上と白血球が10000mm3個以上の患者の致死率は4%だが、発熱も白血球の増加もない患者の致死率は29%であった。それから、大腸菌や緑膿菌による敗血症で発熱した患者の致死率は、発熱のなかった患者にくらべて低かった。

多くの動物実験において、重い感染症が起こったとき、致死率と体温の間に逆相関関係が成り立つ。こんな実験がある。肺炎桿菌に感染したマウスの体温を人工的に正常から高温に上昇させたところ、0%だった生存率は50%まで上昇した」

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