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感染症が急激に悪化…!? 愛煙家に多い「COPD」とはどんな病気か

長引くせき・たん・息切れに注意

風邪やインフルエンザなど、呼吸器に影響がある感染症は非常に多く存在します。ふつう、風邪なら大抵は安静にしていれば回復しますが、急激に悪化して命取りになりかねない事態に陥る場合もあります。愛煙家に多いCOPDの急激な悪化「増悪(ぞうあく)」も、そうした憂慮すべき場合のひとつです。

とくに、世界的流行を見せている新型コロナウイルス感染症は、高齢者や基礎疾患(いわゆる"持病")のある方は重症化しやすいことが報告されています。また、COPDと関連の深い「たばこ」に関しては、日本呼吸器学会が「喫煙は新型コロナウイルス肺炎重症化の最大リスク」と明言しています(日本呼吸器学会HP「新型コロナウイルス感染症とタバコについて」)。」

この時期、いっそうの注意が求められているCOPDとはどんな病気なのか、感染症による増悪の面を中心に調べてみました。

風邪のような症状から急激に悪化〜Aさんの例〜

以前から咳が出たり、痰が絡んだりしていたAさん。最近は、平らな道を歩くだけでも、息切れするようにもなってきました。

ある日、風邪のような症状が出たと思ったら、ほんの数日で呼吸困難になり、救急車で搬送される事態になってしまいました。

検査の結果、「COPDの増悪」という診断。入院してさらに精密な検査をした結果、自分が重症のCOPDで、相当危険な状態になっていたことを知りました。

【写真】ちょっとした風邪がきっかけで救急搬送された
  風邪がきっかけで救急搬送された photo by gettyimages

実はAさん、だいぶ前に会社の健康診断で、COPDの疑いがある、と指摘され、精密検査を勧められていたのですが、ピンとこないために放置していたのでした。まさか、風邪ごときで、こんなことになるなんて。Aさんは、放置していたことを後悔しました。

風邪が命取りになりかねない、Aさんが患っているCOPDとはどんな病気なのでしょうか?

肺や気管支で炎症が続き呼吸しづらくなる病気

COPDは、慢性閉塞性肺疾患といい、新鮮な酸素を取り入れ、不要な二酸化炭素を体外に排出する呼吸器のうち、その主役となる肺や気管支に炎症が起こり持続し、やがて肺が壊れていく病気です。

主に、酸素と二酸化炭素の交換場所である肺胞に炎症が起こるタイプと、酸素や二酸化炭素の通り道となる気管支に炎症が起こるタイプの2種類が知られています。

【図(イラスト)】炎症の起こる場所
  気管支と肺胞。酸素や二酸化炭素は気管支の内側(内腔)通って肺胞と行き来する。肺胞周囲には豊富な毛細血管が巡らされ、酸素と二酸化炭素の交換が行われる。COPDでは、気管支の内腔が狭まって、あるいは肺胞が萎んで、この交換機能が低下してしまう shematics by gettyimges

肺胞の炎症が続くと肺全体が萎んだように潰れたり、気管支の壁が厚く(肥厚)なって内腔が狭まったりして、呼吸がしづらくなります。

呼吸は、人間の活動に欠かせないものです。呼吸機能の悪化は、命取りになりかねません。こうした炎症は、繰り返す有害物質による刺激で引き起こされますが、日常的な刺激になる喫煙がもっとも多い原因と言われています。