Photo by gettyimages

緊急事態宣言「休業補償ナシで解除」の愚策を絶対に避けるべき理由

死者数とコストはトレードオフ

「人と接触しない」ことの重要性

政府は4月7日の緊急事態宣言を受けて、人との接触の「最低7割、極力8割」削減を呼びかけ、大型連休中の地方への旅行も自粛を呼びかけている。緊急事態宣言からほぼ3週間が経過したが、終息へのめどは立つのか。

人との接触を減少させるのは、感染症対策では基本中の基本だ。感染症がどのように広がるかについては、かなり昔から研究があり、短期的な流行は数理モデルで記述できる。それは、Susceptible(まだ感染していない人)、Infected(感染している人)、Recovered(感染から回復した人、死亡もモデル上含む)の動きを表しており、SIRモデルという。

Photo by gettyimages
 

現在でも、100年ほど前に開発されたこの数理モデルが基本的に有効であり、人との接触度合いが重要な役割を果たすことが知られている。

筆者は、役人になる前に、文科省統計数理研究所に内々定していた時、そうした感染症モデルの研究をした経験がある「元」感染症数理研究者だ。40年も昔の話なので、とても現役とはいえないが、多少の土地勘はあり、最近になって数理モデルをひさしぶりに動かしてみた。

そのモデルは、普通の人が感染し感染者に変わり、一部は死ぬが、残りは免疫を獲得して生き残る。すると、やがて免疫を獲得した人ばかりになって、感染者は少なくなるというものだ。

モデルによれば、何も対策をしない場合、国民の相当数が感染し、一定割合は死亡して、その規模は数十万人になる。ただし、ある時点で何らかの施策をして感染がまったくなくなれば、その後、短期的にはほとんど新規感染者はなくなる。感染がなくなる施策のうち、シンプルなものが「誰とも接触しない」というものだ。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら