「がんに罹患していると重症化しやすい」は本当か!?

事前に患者や家族から募った質問に専門医らが答える形でセッションは進んだ。

がん患者の一番の関心事は、やはり、感染リスクや、感染した場合の重症化についてだった。「かかったら生還できるのか?」というストレートな質問もあった。

この問いには、アメリカから参加したアラバマ大学バーミンハム校 脳神経外科助教授の大須賀覚医師が答えた。新型コロナウイルス感染症が発生してからまだ4ヵ月しか経っておらず、結論が出てない状況である。十分な科学的データが揃う段階ではないが、他の感染症のデータから科学的に、ある程度推測ができるとコメントした。

「化学療法(抗がん剤)や放射線療法などでがん患者さんは免疫が下がることがあり、一般的な感染症に罹患しやすい状態にあるという、他の感染症のデータは出ています。ただし、すべてのがん患者さんが危ないのではありません。研究機関やガイドラインでリスクの要因としては60歳以上の高齢であること。がん患者の多くが高齢者なので、リスクは高いことになります。

また、血液腫瘍や、肺がんで放射線治療を受けている方はリスクが高いという指摘があります。がんの治療も幅が広いので、感染症に対して免疫力が下がってしまう可能性があると医師から言われている方は、今回の新型コロナウイルスにもかかるリスクが高くなるといえるでしょうか」(大須賀医師)

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さらに、日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科 教授の勝俣範之医師は、中国のデータなど例に重症化についてコメントした。

「データが少ないところではあるが、中国の最新の報告では、がん患者さんの致死率は7.6%です。(主だった疾患などがみつかっていない)一般的な報告では致死率は2~4%。ほかに、80歳以上の高齢者21.9%心血管障害を合併している患者さんは13.2%となります。こうやって比較してみると、がん患者さんのリスクより高い数値になります。がん患者さんがとりわけ高いわけではないですが、やや重症化しやすい傾向にある。ということは言ってもいいかもしれません」

つまり、このデータから「がん患者が感染したら死に至る」と、恐怖心はもたなくてよいと伝えた。

がん治療に何かしらの影響が出ている人もすでに多かった。資料提供/cancerx