コロナ禍で戸惑うがん患者の声に
専門医たちが答えた

私たちの日常をわずか数か月で奪ってしまった、新型コロナウイルス。
感染による肺炎が原因で、志村けんさんに続き、岡江久美子さんが亡くなられたとの報に接し、だれもが驚き、悲しみに沈んだ。心からご冥福をお祈りしたい。

新型コロナウイルスは感染の恐怖ももちろんあるが、さまざまな負の連鎖を呼ぶことも問題になっている。「感染症の蔓延により医療崩壊が起こることで、命を守るために必要な治療が計画通りに受けらない人が増える」という、あってはならない事態が起こりつつある。その代表が、「がん医療の現場」だ。

コロナ禍であろうがなかろうが、がんは決して他人ごとではない。2019年に厚生労働省が発表したデータによると、2016年にがんと診断された患者数が延べ99万5132人にもなる。

コロナも怖いが、がんも怖い。そして、実際に多くのがん患者や家族は、コロナ禍の現在、大きな不安を抱えている。“この先、どうなるのだろう……”、と不安が付きまとう。メディアにもさまざまな情報が流れ、憶測も飛び交う中、患者や家族が最前線にいる専門家による正しい情報を共有するために、2020年4月21日、オンラインイベント「CancerX COVID-19 Special Online Session~新型コロナ禍の今、がん患者・家族が知りたいこと~」が、開催された。

主催したのは、一般社団法人「CancerX」。「『がん』と言われても動揺しない社会」を目指し、「がん」にまつわる様々な課題を医・産・官・ 学・民・メディアなどの力を合わせて解決していくために2019年に設立し、活動を続けている。

このイベントには募集の呼びかけからわずか3日で、580名もの申し込みがあり、504名が参加した(内訳は、「がん患者・経験者」34.7%、「医療従事者」31%、「家族・パートナー・友人」 16.7%の順)。参加者の数をみるだけでも、多くの人が不安に感じていることがわかる。

写真/cancerx
がん患者の不安や悩みに答えてくれた登壇者(写真左上から時計回りに、最後中央)
鈴木美穂氏:モデレーター(CancerX共同発起人 認定 NPO 法人マギーズ東京 共同代表)
半澤絵里奈氏:事務局(CancerX代表理事)
秋山正子氏(認定 NPO 法人マギーズ東京 センター長)
上野直人氏(CancerX共同発起人 米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンター乳腺腫瘍内科 教授)
勝俣範之氏(日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科 教授)
天野慎介氏(一般社団法人 全国がん患者団体連合会 理事長)
大曲貴夫氏(国立国際医療研究センター病院 国際感染症センター センター長) 
大須賀覚氏(アラバマ大学バーミンハム校 脳神経外科 助教授) 
佐々木治一郎氏(北里大学病院 集学的がん診療センター センター長)