# 早期退職

2020年、実は日本が「世界最高の国ランキング3位」になっていた…!

「生産性」は低いけど、素晴らしい国
中原 圭介 プロフィール

生産性ばかりにこだわると全体を見失う

私はこれまで複数回にわたって、日本の生産性を引き上げるための問題点や対応策について申し上げてきましたが、経済政策を考える際に、生産性を第一にすることは間違っていると確信しています。

さらに、生産性の数字が他の先進国と比べて低いからといって、日本を必要以上に卑下することは愚かな行為だとも思っています。なぜなら、国民の生活水準や社会保障制度も含めて、総合的に判断する必要があると考えているからです。

たとえば、アメリカは先進7か国のなかで最も経済成長率と生産性が高いにもかかわらず、実に国民の40%以上が貧困層および貧困層予備軍に属しているとされています。

また、失業率はコロナ前には50年ぶりの低水準にあったにもかかわらず、労働者の60%は短期契約などの非正規雇用で不安定な生活を強いられているのです。

 

アメリカのメディアでよく引き合いに出されるFRBの統計では、アメリカ人の成人の50%近くが400ドル(約4万3千円)の突発的な費用を支払える貯蓄がないと回答しています。就職しても学生ローンを返済できずに、破産や離婚に追い込まれるケースが当たり前の出来事になっています。

それに加えて、生産性の向上を目的に病院の統廃合が進み競争がなくなった結果、医療費が高騰し、国民の4人に1人は病院に行きたくても行けないといわれています。

国民の10人に1人が無保険の状態にあり、高額な医療費を払えないために年間50万人が破産するという厳しい状況にあります。(なお、イギリスでは国の医療制度がコロナ前から破綻しかけており、急患で運ばれた患者が医療を受けられずに死亡するというケースが珍しくはありません)

これらの事実を鑑みて、日本の生活水準や社会保障制度がアメリカ(やイギリス)に劣っているといえるのでしょうか。