コロナにも? 自然素材石けんは合成洗剤の「1000倍のウイルス破壊力」

天然由来成分に驚きの効果を発見
山根 一眞 プロフィール

界面活性剤はウイルスや病原菌を洗い流してくれるが、一方で洗う回数が増えれば手荒れが避けられない。

手荒れは界面活性剤がもつ「細胞傷害性」による。

界面活性剤は脂にとりつき剥ぎ取る機能が大きいが、手洗いでは皮膚の表面にある脂肪も取り去ってしまうため、頻繁な手洗いを続けると皮膚がガサガサになる手荒れが起こってしまう。新型コロナウイルス感染症に直面する医療従事者にとって、これは大きな悩みに違いない。

では、医療現場ではどれくらいの頻度で手洗いをし、どれくらいの手荒れが出ているのだろう。

その調査研究が3年前の2017年に行われていた。

それは、北九州市の小倉記念病院感染管理部、NPO法人・北九州地域感染制御ティーム、産業医科大学病院感染症制御部、シャボン玉石けん、そしてシャボン玉石けん感染症対策研究センターが行ったもので、その成果は感染症の医学誌『INFECTION CONTROL』(2017 Vol.26 の12)に、『無添加脂肪酸カリウムを用いた手荒いせっけんの手荒れ予防に関する調査研究』として投稿された。

調査対象者は、急性期病院(3施設)の110名、療養型病院(5施設)の197名、高齢者施設(5施設)の125名で、調査票の回収率は90%以上だった。

この調査研究は、擦式アルコール製剤の使用のみならず流水と石けんによる頻回の手洗いが手荒れの原因であり、また手荒れが感染の温床にもなるという前提のもと、「石けんの工夫が重要だ」として実施した、と投稿論文は記している。

調査でわかった手洗い回数は、おおむね11〜20回が4割を占めており、31回以上手洗いを行っている人も13〜14%あった。そしておよそ7割の人が「とても手荒れしている」「やや手荒れしている」と回答。

だが、合成系のハンドソープに代わって、自然素材無添加石けん(手洗いせっけんバブルガード)を使いはじめたところ、手荒れは約5割に減少したのだ。「自然素材無添加石けん」は合成系ハンドソープより肌にやさしいことが立証されたのだ。

私の知人である医療関係者も、長年、頻繁な手洗いによる手荒れに悩まされており、ワセリンの塗布が欠かせなかったそうだが、「手洗いせっけんバブルガード」に変えたところ、まったく手荒れが起こらなくなったと話していた。

手荒れ調査のまとめ

新型コロナウイルス感染症の予防のため一般の方も石けんによる手洗い頻度が増えているので、こういう調査研究のあることは覚えておきたい。

5000年目の大発見

マスクの入手難同様、手洗い石けんへの需要も大きくなっており、自然素材無添加石けんである「手洗いせっけんバブルガード」は品薄状態のようだ。今後の供給見通しはどうなのか?

「注文急増で生産は休日返上で拍車をかけているので問題ないんですが、調達している樹脂製ボトルと泡を出すためのポンプがネックなんです。それらの製造工場には注文が殺到しているそうで、我が社への入荷も遅れていることが品薄の原因なんです」(シャボン玉石けん、川原貴佳さん)

自然系の手洗い石けんを使おうにも使えないのでは困る。

川原さんは、シャボン玉石けんの製品にはすべて「手洗いせっけんバブルガード」と同じオレイン酸カリウムや類似成分のオレイン酸ナトリウムが含まれているため、無添加ボディソープ、ベビーソープ、浴用石けん、ビューティーソープなどを手洗いに使っても「バブルガード」と近い効果が得られるという。

そうか、拙宅では入浴用に無添加ボディソープを使っている(ハンドタオルの洗濯に流用することもある)。「手洗い石けん」が底をついたあと、まだ入手難が続いていればこれで代用することにした。

ちなみに、自然素材(天然油脂)のみを原料とし、合成系の添加物を加えていない昔ながらの石けんを製造してきたメーカー(中小企業が主だが)は少なくない。今回の研究成果は、それらのメーカーにとっても朗報に違いない。

人類が石けんを使いはじめて5000年になる。

きわめて身近な人類の必需品の石けんに、5000年目にして思いがけないウイルス攻撃能力が明らかとなった。その研究成果が出た翌年、つまり2020年、人類は新型コロナウイルスの猛攻を受けることになった。

広島と北九州市という関門海峡を挟んだコラボチームは、あたかもこの非常事態を予感し、凶暴なウイルスを攻撃する手の内の一つを得たのかと思わせる研究成果だった。

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