「アベノマスク」の酷すぎるドンブリ勘定と低品質を検証する

466億円もかかるはずがなかった
松岡 久蔵 プロフィール

せいぜい1枚60円

「あんなボロマスク、せいぜい仕入れで1枚60円がいいところですよ」

中国に製造拠点をもつ千葉県内のアパレル業者は、アベノマスクの品質と「本当の価格」についてこう話す。

「いわゆるガーゼマスクは、仕入れ価格で普通1枚80円前後。今回は億単位の超特大ロットが発生するから、当然1枚当たりの単価は下がる。仕入れ価格は少なくとも200円の3分の1、70円は超えません」

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費用以上に大きな批判を呼んだのが、アベノマスクの低品質ぶりだ。急ピッチで発注をかけたせいか、不良品が相次いで報告された。

厚労省は妊婦向けの布マスクのうち7800件以上について「黄ばみや黒ずみなどの変色がある」「ゴミや髪の毛が混入していた」「異臭がする」などの不良品事例があったことを明らかにし、21日に配布中止を決定。全戸配布用のマスクにも同様の不良品が混入していたとされ、Twitterなどでも「健康被害はないのか」「安心して使えない」と不安の声が広がった。

政府は各都道府県に注意喚起の通達を出し、一部の業者が製作したマスクについては全品回収を始めた。24日には菅官房長官が「検品のため、配布が遅れる」と発表し、伊藤忠と興和も同日、まだ配布してないマスクを全て回収することを明らかにしている。