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ストレス増加、雇用問題…先行き見えないイタリアは「未来の日本」か

ロックダウン長期化が生む「新たな困難」
鈴木 圭 プロフィール

一方で、こうした支援が必ずしも必要な人に届いていないという現実もある。イタリアでは医療や輸送、食品を含む生活必需品の生産・小売業などエッセンシャルサービス以外の企業活動を停止しており、それにともなう失業者の増加も懸念されている。

Nomismaは当初、2020年におけるイタリアの失業率は10%を下回ると予測していた。しかし、現在は11〜12.4%に達すると予測しており、その後数年でさらに悪化する可能性もあると指摘している。

イタリアでは従業員を雇用する際、雇用形態や条件などを記載した契約書を作成するのが一般的だ。だが、今回のような非常事態や経営悪化の備えとして契約書を交わさないで雇用したがる企業も多く、特に雇用の少ない南部では労働者側がそれを受けれざるを得ない現状もある。その場合、いくら労働者を守るための法律が整備されていてもその対象にならず、企業側の都合で解雇されたり減給されたりする問題が生じるのだ。

すぐには日常は戻らない

イタリアでは新規感染者数や死亡者数が減少してきたことを受け、外出禁止や企業活動の停止措置を5月4日から段階的に解除していくことが発表された

2カ月ぶりの規制緩和ではあるが、実際は日常生活がすぐ正常に戻るわけではなく、あくまで6月1日までかけてゆっくりと、少しずつ規制を緩めていくという措置だ。レストランはテイクアウトのみの営業で、学校は9月まで休校、また人の移動は州内のみに限るなど、生活には引き続き多くの制限がかけられる。

 

一方で、日本では4月7日に7都道府県へ緊急事態宣言が発令されてから1カ月近くが経つ。自粛が続く日常生活へのストレスは次第に大きくなり、新たに「コロナ疲れ」という言葉も生まれた。そういった意味では、現在の日本の状況は、過去のイタリアの姿に重なる部分も多いのかもしれない。

当初は5月6日までの予定であった緊急事態制限は、状況によって延長される可能性も出てきた。政府はその是非についてGW中に判断するとしているが、イタリアのように段階的に解除されたり、新たな追加措置が発表されることも十分に考えられる。一日でも早く日常生活を取り戻せるか、今はその正念場をむかえているといえるだろう。

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