イタリア政府は3月17日、国民健康保険サービスの強化や企業・労働者の支援を目的として、暫定措置令を発表した。「クーラ・イタリア(イタリアのケア)」と名付けられたこの措置は、以下の4本の柱から成っている。
1. 国民健康保険サービスや医療の強化(32億ユーロ)
国民健康保険サービス従事者の雇用拡大、集中治療用の病床を増やすための財政支援など
2. 労働者の雇用や所得の保護(104億ユーロ)
「Covid-19」を理由に事業を縮小している事業主が、従業員の給与支払いのために給与補助金庫からの給付を受けられるほか、個人事業主や季節労働者、農業従事者などに対し月600ユーロの給付金を付与
3. 家計・企業の資金繰りの支援(48億ユーロ)
家庭や企業のローンや借り入れの返済期限の延長や、中小企業向けの保証ファンドへの積み増しなど
4. 税金の支払い義務を一時停止(24億ユーロ)
緊急措置に対して大きな影響を受けた産業(観光業、飲食業、文化関連業など)に対し、従業員の社会保険料や所得税などの納税の支払い義務を一時的に停止
中でも大きく注目されているのは、フリーランスなど個人事業主に対する月600ユーロの給付金だ。全国社会保障機関(INPS)のホームページからオンラインで申請でき、最長3カ月まで付与される。当初は申請用のサイトにアクセスが殺到してダウンするなどのトラブルもあったが、およそ2週間程度で申請者の銀行口座に振り込みされている。