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ストレス増加、雇用問題…先行き見えないイタリアは「未来の日本」か

ロックダウン長期化が生む「新たな困難」
鈴木 圭 プロフィール

GDPは最大マイナス5.2%、先行きの見えない経済

日常の習慣が途絶えることに加え、先行きの見えない経済状況もストレスの種の一つだ。イタリアの調査機関であるNomismaは、当初2020年におけるイタリアのGDPを0.4%の増加と予測していたが、新型コロナウイルスの影響により楽観的なシナリオでも-1.9%、最悪のシナリオで-5.2%にも到達する恐れがあると下方修正した。リーマン・ショックの影響を強く受けた2009年が-5.3%で、それに匹敵する予測と考えるとイメージしやすいかもしれない。

イタリアでは3月11日に出された首相令により、企業内の生産に必須でない部門の活動は停止された。また、営業を続ける場合も従業員同士が十分な距離をとることができるよう企業側が配慮する責任を負う。ミラノのとある日系企業で働くO氏は、次のように語る。

「弊社では外出禁止措置が取られてから、基本的にみんな在宅勤務になりました。必要がある場合は出社することもできますが、それも事前に会社に申請が必要で、公共交通機関を使用せずマイカーなどでオフィスに来られる人のみ。1度に出勤できるのは1〜2人程度までというルールになっています」

事前にイタリア保険当局のチェックがあり、上記のような形態であれば出社してもいいルールになったという。現在、会社はどのような状況なのだろうか。

「いちおう営業はしていますが、予定していたプロジェクトはほぼ延期かキャンセルになりました。現在はメールで顧客対応をする程度です」

 

この状況なので新規の依頼はなく、外出禁止措置より延期になった仕事の顧客対応が主な業務、売上も大幅に減っている状況だという。雇用に関して影響は出ているのだろうか。

「うちは契約書がしっかりあるので、コロナウイルスの影響で解雇になったり減給になったりした社員は今のところいません。ただ、協力会社の中には個人事業主や家族経営の小さなところもありますね……」

イタリアでは2月23日以降、解雇や免職の手続きは全て凍結されている。そのためちゃんと契約書を交わしている社員については雇用が保証されている。とはいえ、この状況が続けばどうなるかわからず、不安は常にあるという。また、個人事業主は仕事がなくなれば当然収入は途絶えることになる。

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