Photo by Gettyimages
# 新型コロナ

ストレス増加、雇用問題…先行き見えないイタリアは「未来の日本」か

ロックダウン長期化が生む「新たな困難」
新型コロナの感染拡大防止のためのロックダウン(外出禁止処置)が行なわれて1ヶ月以上が経ったイタリア。新規感染者数の減少も見えつつあるが、楽観的な見通しはできない状況だ。加えて市民のストレスや雇用問題への懸念も高まっている。はたして同国の現状は「少し先の日本」に重なるのか?
イタリア、ミラノ在住の記者、鈴木圭氏によるリポート第2弾。

外出できない市民に蔓延するストレス

イタリアでは3月10日に外出禁止措置が取られてから1カ月以上が経過した。一時期は6,557人にも到達した1日の新規感染者数は3月13日以降ようやく2,000〜3,000人台にまで落ち込み、暗いトンネルの先にも一条の光が見え始めてきた。

イタリア国家市民保護局のアンジェロ・ボレッリ氏は、現在の外出禁止措置は引き続き解くことはできないとしているが、収束の兆しが見え始めたことは素直に喜んでいいニュースだろう。だがその一方で、自宅待機を強いられる市民のストレスは少しずつ大きくなっている。

Photo by Gettyimages

外出禁止措置以降、イタリア市民の生活は大きく変わった。普段なら出勤前に行きつけのバールに立ち寄り、常連客と他愛のないおしゃべりに花を咲かせながらエスプレッソやカプチーノを楽しむのが日課だった人も多い。友人同士で会えば道端でもハグやキスをして、お互いの近況を報告し合うし、週末には友人や親戚同士で集まり、アペリティーボや夕食をともにするのが習慣になっていた人もいる。

だがこれらの習慣は、外出禁止措置が出ている現在は全て途切れてしまった。コンテ首相は外出禁止措置をイタリア全土に拡大する際「我々は習慣を変えなければならない」と述べた。これは単に外出できないだけでなく、友人や親戚と会ってハグやキスをしたり同じ時間を過ごしたりするという、イタリア人にとって欠かせない習慣をやめなければいけないことを指している。

 

それだけに、市民の間に蔓延するストレスは大きい。自宅に長期間待機するためにはメンタルの維持が重要だが、これまで習慣としていた行動が禁止されているため、どこか物足りない毎日を強いられることになる。

友人同士で外出したい、公園でゆっくりと太陽の光を浴びたい。そんな思いは誰にでもある。キリスト教の復活祭(イースター)であった4月12日には、正当な理由なく外出したとして、イタリア全土で約14,000人が摘発されている。