休校と外出自粛の中、悲鳴のように聞かれるのが「3食作るのが大変!」という親たちの叫び。特に好き嫌いの多いお子さんのいる家庭は頭を悩ませているだろう。しかし、嫌いなニンジンをみじん切りでこっそり混ぜるやり方が、時にマイナスに作用するというのが一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会の山口健太さんだ。会食恐怖症で自身が食べることができなかった時代を経験したからこそ、「好き嫌い」「食べられない」の意味を知ったのだという。著書『食べない子が変わる魔法の言葉』(辰巳出版)も人気の山口さんに、いわゆる「食べられない」をどのように克服できるのかを伝えてもらおう。

「食べられない子」だったからわかること

好き嫌いが多い子どもの食事に、手を焼く親はとても多い。厚生省の「平成 27 年度 乳幼児栄養調査結果の概要」という調査を参考にすると、子どもの食事で困っていることが「特にない」と答えた人は、2割を切る。つまり8割以上の親は何かしらで悩みを抱えているということだ。毎日ご飯を作るだけでもとても大変なことなのに、子どもが「食べない」ともなると、作る気力すらなくなってしまうのも当然のことだろう。

一方で、私が普段から食育の相談に乗っていると、それが良くないと知らないから、ついNG行動をやってしまって、さらに食べなくなっているというケースがとても多いことに気づく。

私もかつては食べられない子だった。高校時代の部活動で1日白米7合を強要され、誰かとご飯を食べるのが怖くなってしまったことがある。そのときに「食べろ」と言われるとプレッシャーを感じて食べることができず、「無理しなくてもいい」と言われると食べることができるという経験をした。そこから「子どもの食育」に興味を持ち、「食べられない」が「楽しく食べられる」ようになるための方法を研究し、今では保育園や学校に向けて、給食指導に関する研修なども行なっている。

いくら美味しくても、強制されると食べられないことも多い Photo by iStock

管理栄養士の方には子どもの偏食の対応を教えていて「なんでこんなに大切なことを栄養士になる過程で教わらなかったのか…」という感想も頂く。

そんな中でもよく取り上げる話題として、子どもの偏食対策としてよくある一つに「みじん切り」がある。しかし、先日「苦手な野菜を食べてもらおうと、みじん切りで好きなハンバーグに混ぜ込んでいたのがバレて、それ以降ハンバーグも食べなくなってしまった」という相談が届いた。そう、実はこのみじん切りは、適切なやり方をしなければ、子どもの「嫌い」を増長させてしまうこともあるのだ。