「絆」という「時代を超えた」テーマ

また東野作品の特徴である「いつの時代にも色あせないテーマ」がまさにドラマの中でも活きている。それは誰の記憶にも強い印象を残した三兄妹の分ちがたい「絆」だ。「お兄」と呼びかける戸田さんの姿を、いまでも鮮明に思い出せるという人も多いだろう。同じく自身も三兄妹の一人であるという彼女にとって「きょうだい」とはどのような存在なのだろうか。

「宇宙人のような存在です。うちも三兄妹ですが、お互い助け合ってきて強い仲間ではありますが、お互いの事をよく知りません。どういう思考の持ち主なのかもよく分からない。
だからこそ、面白いなと思います。
静奈を演じていた当時は、二人の兄がずっと隠して来た事実を知った時の静奈の気持ちに深く共感しましたが、時間が経った今、事実をなかなか伝えられなかったお兄達の気持ちもわかるようになりました」

戸田さんが言うように、三兄妹は、両親の仇討ちという大きな目的に加えて、家族の秘密も抱えている。周到に計画された仇討ちはどうなるのか、三兄妹は幸せになれるのか、後半は怒濤の展開が続き、小説を読んでもページをめくる手が止められない。

戸田さんも、脚本より原作を先に読み、熱中したという。

「私の中ではかなり読み進むのが早かった作品です。
そのままの勢いで読んでいたら、最後の最後に衝撃的すぎて自分の心臓の音が聞こえたのを覚えています

東野作品が多くのファンを獲得している理由のひとつに、このスピード感に象徴される「読み易さ」がある。「あっという間に読める」「続きが気になってページをめくる手が止まらない」という感想は様々なレビューで見かけるだろう。
『流星の絆』は週刊誌で連載された作品だが、よくよく読むと、連載の切れ目であった節の変わり目ごとに強い「引き」が用意されているのがわかる。「この章の終わりまできたら、いったん読むの止めよう」と思ってもなかなかページを繰る手を止められないのは、著者の思惑通りなのかもしれない。