この作品に参加できて本当に幸せ

「私が作品に参加する時にいつも思うのが『10年20年先もずっと、誰かの心に残る作品にしたい』という事です。そんな作品に参加する事が出来て、本当に幸せに思います

戸田恵梨香さんは『流星の絆』への思いをこう語る。

たしかに、戸田さんの出演作は、ふと思い浮かぶだけでも心に残る作品ばかりだ。つい先日大好評のうちに終わったNHK連続テレビ小説でヒロインをつとめた『スカーレット』(2019~2020)をはじめ、『コード・ブルー‐ドクターヘリ救急救命―』(2008~2018でシリーズ化)『リバース』(2017)『鍵のかかった部屋』(2012)『大恋愛~僕を忘れる君と』(2018)……。作品選びもあるのだろうが、「なんでも演じられる女優」戸田さんの力との相互作用なのだろう。

さて、『流星の絆』には ドラマを観た人なら間違いなく鮮明な記憶として残っているであろう、そして観ていなかった人もCMなどで耳にしたことがあるかもしれない、印象的なセリフがある。

「兄貴、妹(あいつ)は本気だよ、俺たちの仇の息子に惚れてるよ」だ。

これは『流星の絆』の単行本刊行時から使用されている象徴的なキャッチコピーで文庫にも受け継がれたが、実は小説本文中にはセリフとして登場はしていない。一方、ドラマの中では二宮が演じる有明功一と錦戸が演じる泰輔との会話として、そのまま登場する

小説の中にはなかった「セリフ」がドラマでは実際に再現された 

このセリフに象徴されるように、戸田さんが演じた妹の静奈は物語の軸となる人物だ。しっかり者の長男の功一、少々無鉄砲なところがある次男の泰輔という二人の兄から大切にされる妹という役どころだが、両親を亡くし力を合わせて生きて来た三人の中で必ずしも「守られるべきか弱い存在」として描かれているわけではない。