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新型コロナ「マンション大規模感染」が起こる日

一戸建てが見直されるかもしれない

新型コロナウイルス感染症の拡大が止まらない。政府は人と人の接触を8割がた抑制することを提唱しているが、容易ではない。

特に多数の人が同じ建物内で生活するマンションには、敷地内、建物内で他人と接触する機会が避けられず、集団感染、クラスターが発生するリスクが高いのではないだろうか。

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マンションで「大規模集団感染」

横浜市のホームページにこんな記述がある。

「香港では、ある高層住宅でSARSの発生が増え、2003年3月31日には、10日間の隔離命令が出される事態となりました。香港の九龍湾の牛頭角道にある高層住宅「淘大花園(Amoy Gardens : アモイガーデン)」のE棟に対し、2003年3月31日の早朝から4月9日の夜まで、10日間の隔離命令が出されました。隔離は衛生局・社会福祉局・警察などの行政職員が協力して行います。「淘大花園(Amoy Gardens : アモイガーデン)」のE棟では、10日間、住民が隔離されます。許可ある者以外、E棟に出入りすることはできません。香港の衛生局の医療スタッフがE棟住民の健康チェックを続けます。食事は1日に3食ずつ無料でE棟住民に配給されます」

横浜市では、必ずしも最新の知見を提供するものではなく、あくまでも参考のための掲載としているが、それだけ横浜市の保健当局が、マンションの感染症対策に関して不安を感じている、ということではないだろうか。

 

下水管を通して各階にウイルス感染が広がる

この「アモイガーデン」E棟の集団感染、調査してみると、その感染者のほとんどが、各フロア7号室、8号室の住民であることが分かった。E棟には8本の下水管があって、そのうちの1本が7号室と8号室の間にあり、その下水管を通してSARSウイルスが各住戸に広がり、感染が拡大したとみられているのだ。

ある階の下水管に大きな割れ目があり、トイレが使われるたびにその割れ目から下水の飛沫が吹き抜けに飛び出して、各階の7号室、8号室に感染が広がったと考えられている。E棟の隔離が解除される前にこの大きな割れ目は修繕され、その後は感染が起こっていないという。

香港では、今回の新型コロナウイルス感染症拡大局面でも、やはり同様のケースが発生しており、老朽化したマンションの不安は尽きない。