マクロン大統領がロックダウン宣言を行った3月16日、パリ郊外に住む映像作家の友人から、「マクロンがロックダウン宣言をしたけど、権力に唾を吐くフランス人がロックダウンを守るはずがない。これからコロナ感染はすごい勢いで拡大すると思う」という連絡が来た。

昨年、筆者は映画の取材でパリを二度訪れていたのだが、ちょうど黄色いベスト運動とパリ市交通公団ストライキに遭遇していた。2019年3月の黄色いベスト運動のときにはシャンゼリゼ通りにある高級ショップが放火されて真っ黒になっていたのを目撃したし、12月にはストライキのデモ隊がチェ・ゲバラの旗と発炎筒を掲げて歩く様子をプチ革命のようだと感じたものだった。

2019年12月のパリのストライキの様子。筆者撮影

そうやってフランス人の反権力精神にリアルに触れていたから、友人の言うことはまんざら嘘じゃないだろう、と思っていたが、その後、日本で目にするニュースは、フランス人はロックダウンを従順に受け入れているように報じるものばかり。特にパリは厳戒なロックダウン状況下にあり、住民はひっそりと暮らしているように見えた。

が、やはり、フランス人はフランス人だった。現地の友人たちから、ロックダウンが守られていないことについての愚痴が次から次へと出てきた。筆者がパリの市内外に住む友人たちから聞いた話を紹介したい。